©The Estate of Jeanloup Sieff/G.I.P.Tokyo
Jeanloup Sieff
ジャンルー・シーフ写真展
現役で活動中だったジャンルー・シーフの突然の訃報から10年、夫人のバルバラ(写真家でもありシーフのモデルも経験)を中心に未発表作品の見直しが行われました。何故未発表だったのか、後に発表する筈だったのか、選定について作家の領域にどこまで踏み込めるのか、コンタクトシートやシーフのこだわったプリント表現など知られざる作品の興味はつきないでしょう。これらの作品は作家と共に歩んだ名プリンター、イヴ・ブレガンとトマ・コンザニによって蘇りました。ゼラチンシルバープリントの銀塩粒子、バライタ印画紙の微妙なトーンによる力強く格調高いシーフスタイルの表現はまさにモノクロ写真芸術です。そこには1950年代後半青年シーフのマグナム所属時期に実力を見せたルポルタージュや1960年代前半ニューヨーク時代の『ハーパース・バザー』での仕事が多く見られます。この時期はシーフのもっとも活力に溢れたパワー全開期にあたります。シーフ固有の力強い垂直画面と広角レンズの巧みな表現は変わらず、カメラも主としてクラッシクライカとニコン、ハッセルブラッドなど一貫してアナログで通しました。 シーフは常に反骨の精神を掲げ、最後まで自らを律し、それは彼の構図や表現の厳格さに現れて います。しかし、その反面シーフはワインを愛し、気の利いた駄洒落を飛ばし相手を煙にまいては楽しみ、また一方で写真は“失われた時を求めて”いく、ノスタルジアの感慨を生涯抱いてもいました。1973年の日本における初めての個展以来今日に至るまで国内での展覧会は15回以上開催されました。いつも好評を得てきたのは、日本の根強いシーフファンの存在と、時代が経過しても何ら古臭さを感じない作品の魅力によるものといえるでしょう。本展は未発表作品を集大成したものですが、他に名作コーナーを設け人々の記憶に残る珠玉の代表作を加えて構成しています。

夫人バルバラからのメッセージ
ジャンルー・シーフ写真展の会場風景
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